ニーチェになりたい男のたわごと

日々の日常の事とか

第十九回目 星新一リスペクト

どうも、超人太郎です。

 

いきなりですが、僕の好きな作家さんを紹介させてください。

 

その好きな作家さんは、星新一さんです。

 

星新一さんは、ショートショートと呼ばれるジャンルを主に書いていた方です。

そのジャンルを書く上では神様と呼ばれていたほどに、ショートショートジャンルが得意な作家さんです。

 

で、今回はその星新一さんをリスペクトしたというか、星新一風味な内容の話を僕なりに書いてみようと思います。

 

ですが、もしかしたら星新一ファンの方の中には「こんなの全然星新一の作風ではない」とか「そもそも星新一の作風は、誰にも真似できないほど唯一無二な物だから真似しようなどと思うな」と思われるかもしれません。

ので、一応注意書きとして、熱狂的な星新一ファンの方は今のうちにブラウザバックをお願いします。

 

 

では、始めます!

 

タイトル  「愛反する社会」

 

20xx年の春、N国ではある法律が出来た。

その法律は「男女均整結婚法」という法律である。

より良い文明社会を形成させるために男と女、あるいは両者それぞれを同じ程に優秀な者同士で結婚させることを、国の管理の下で出来ると定めたものである。

しかし例外として仮に離婚をしたくなれば、夫婦の話し合いの下で互いに合意をした場合にのみ離婚をしても許されると定められている。

翌年からその法律が施行された。

この法律の結婚第一号ペアとして、とても優秀な二人が結婚をした。

その二人の名はF男とK子である。

この二人は優秀なだけあって、この結婚の在り方は実に合理的であると考えていた。

優秀な者同士同じ屋根の下で暮らすことで、互いを支え合える良い夫婦になることに違いはないと思っていたのである。

この二人の予想通りに夫婦生活は実に順調なものであった。

この夫婦はそれぞれに容姿端麗であり、仕事にも金銭的にも成功をおさめていたし、何よりも優秀な者同士だからこそ分かり合えるものがそこにはあったのだ。

分かり合う程に夫婦としての愛すらも芽生えてくるようになった。

もはや互いに不満など一つもなかった。

そんな折にK子がF男に「ねえ、あなた私たちって本当に完璧な夫婦だと思わない?」と切り出した。

「ああ、そうだとも」とF男は何を今更と言わんばかりに返事をした。

するとK子が「私たちってなんていうかその...ほら、凄く優秀でしょ?」と改まって言い出した。

「ああ、そうだともよ」F男は少し訝し気に返事をした。

そんなF男をよそに「私たち一旦距離を置いて暮らしてみない?」とK子が言い放った。

F男は急に離婚の相談をされたものと思い、慌てて何か言いだそうとした矢先にK子が「私たち完璧すぎてお互い不満なんてないじゃない? でも、その状態が当たり前になってしまってからは、夫婦としてのありがたみみたいなものが薄れてきてしまっていると思うの...」と言った。

F男は少し考えたのち、K子が言いたい事が読めたようで「なるほど、それで二人別々に暮らす事でお互いがいかに完璧で、運命共同体の夫婦なのかを改めて再確認出来るはずだと言いたいんだな?」

K子は「ええ、そうよ。わかってもらえて嬉しいわ」と興奮した面持ちでF男を見つめる。

「いいとも、そういう事なら一つやってみるとしよう」とF男はそのアイデアを快く承諾した。

それからはとんとん拍子に事が進み、幸い二人はお金には苦労していなかったのでそれぞれ別々のアパートを借りて住むようになっていた。

二人は引っ越し初日には「なんて素晴らしいことをしているんだろう。二人離れて暮らすことで夫婦の絆をより深め、より完璧な夫婦の形へと生まれ変わるのだ」と思っていた。

その後の二人の暮らしは実に見事なものであった。

夫婦一緒に暮らしていた時には、どちらかがやってくれていたことも全て一人でやり抜き、夫婦団らんの時間が無くなったことで仕事により集中するようになり更なる成功をおさめるまでになった。

そのうちに二人は、互いに一緒に暮らしていかずとも豊かな暮らしがそこにはあると思い始めるようになっていた。

いつの間にか二人は、一緒に暮らしていた頃を思い返す度に夫婦生活とは煩わしいものであったなと思うまでになった。

 

その後の二人は話し合いの下に離婚をすることに決めてしまった。

 

N国の政府はこの二人の決断を尊重したのちに「男女均整結婚法」を廃止することにした。

 

どうやらより良い文明社会を形成するためには、優秀な者同士の結婚などではなく、それぞれが互いに自立した生活を送ることであったように思われたからだ。

 

 

 

と、ここまで読んでいただきありがとうございました。

もしかしたらですが、何かの作品の影響や似ているところもあるかもしれせん。

ので、一応この作品は色々な媒体のものからインスパイアを受けたものであると注意書きをしておきます。

何か問題がありましたら、その都度ご連絡のほどよろしくお願いします。

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ではまたの更新をお待ちください。